7/1_大学の「評価」について種類など

朝から暑い。ジメジメしてる。梅雨を満喫中なわけですが、はやくカラッとした夏になってほしいものです。

さて、大学が守らなければならない法律はたくさんあるのですが、その中に学校教育法なるものがあります。

学校教育法

この中に大学の「評価」についてその種類が109条に記載されています。
ここでの大学とは、国公私立問わずすべての大学が該当します。

1.自己点検・評価

第1項には、

大学は、その教育研究水準の向上に資するため、文部科学大臣の定めるところにより、当該大学の教育及び研究、組織及び運営並びに施設及び設備の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するものとする。

とあります。

順番に見ていきます。まず、目的が記されています。「教育研究水準の向上に資するため」ですね。

次の「文部科学大臣の定めるところにより」ですが、何で定められているのでしょうか。
法律は詳しくないのですが、~法があればそれに対する~施行令や~施行規則があります。※令は内閣が定め、規則は省庁で定めるといった違いがあるようです。
今回も「学校教育法施行規則」(規則ということは省庁レベルで変更できる)が定められており、166条に

大学は、学校教育法第百九条第一項に規定する点検及び評価を行うに当たつては、同項の趣旨に即し適切な項目を設定するとともに、適当な体制を整えて行うものとする。

とあります。
趣旨(教育研究水準の向上)が確認できるようなチェック項目を作ることと、チェックするときは、チェック体制を構築することが書いてあります。
続いて

 当該大学の教育及び研究、組織及び運営並びに施設及び設備の状況について

とあります。
これって大学の全業務についてといっても過言ではないと思います。社会貢献活動と入試の実施をどこに含めるのか。といったところでしょうか。

最後に

自ら点検及び評価を行い、その結果を公表する

とあります。
ここでのポイントは、後に書きます、認証評価と違い、大学が独自で点検項目、そのレベルの基準、また達成状況を決めることができるところです。
各大学の主観なので、傍から見ると「自己評価低くない?あるいは高くない?」と感じることもあるかもしれません。
また、結果の公表ですが、主にHPでの公表が多いですが、中には、自己点検・評価書を製本し、関係機関に送付している例もあります。お金がたくさんあるようで、うらやましい限りです。

2.認証評価(大学機関別認証評価)

次に第2項

大学は、前項の措置に加え、当該大学の教育研究等の総合的な状況について、政令で定める期間ごとに、文部科学大臣の認証を受けた者(以下「認証評価機関」という。)による評価(以下「認証評価」という。)を受けるものとする。ただし、認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。

ここでは、大学は、認証評価機関による評価を受審しなさいと書いてあります。

この認証評価機関ですが、
学校教育法110条に詳しくは書いてあります。

認証評価機関になろうとする者は、文部科学大臣の定めるところにより、申請により、文部科学大臣の認証を受けることができる。

また、その認証についての手続きは学校教育法施行規則169条にあります。

学校教育法第百十条第一項 の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出して行うものとする。

なお、認証評価機関には主に次の3団体が挙げられます。

www.niad.ac.jp

この機関は、文科省の所管機関でもあり、文科省との人事交流も盛んです。認証評価はもちろん、第三者評価事業として選択評価(法では定められてはいませんが、各大学の各分野(国際交流の状況など)の状況を評価する)の実施や国立大学法人の法人評価における教育・研究に係る評価の実施をしています。
実際、国立大学のほとんどが(宮城教育以外)ここで認証評価を受審しています。
お値段も高め。

www.juaa.or.jp

多くの私立大学が受審しています。宮城教育もここですね。公立大学もちらほら。
聞くところによると審査も厳しいとか・・・
私立大学には、国立大学で定年を迎えた教員が行くことが多々あります。そのため、教員の年齢層が相対的に高くなりがちです。そこを厳しく指摘されることもあるようです。
学位授与機構より値段は安い。

www.jihee.or.jp

最後はこちら。受審者は私立大学ばかりです。受審料は安い。
私の不勉強のせいなのですが、知っている大学が少ない印象。

この認証評価ですが、担当者としては、機関の基準に合わせた記述が求められるので、作業が増えます...

話を当初の条文に戻します。まず、目につくのは

当該大学の教育研究等の総合的な状況について

ですが、これは、認証評価機関が求める評価項目・水準が総合的な状況がわかるように設定されている「はず」です。

次に

 政令で定める期間ごとに、

 ですね。政令ということで学校教育法施行令を確認します。40条です。

法第百九条第二項法第百二十三条 において準用する場合を含む。)の政令で定める期間は七年以内、

 7年以内に受審することが定められています。

次は、

文部科学大臣の認証を受けた者(以下「認証評価機関」という。)による評価(以下「認証評価」という。)を受けるものとする。

 これは、上記のとおりです。認められた認証評価機関で受審しなさいということです。

最後にただし書き。

ただし、認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。

認証評価機関が存在しないは該当しませんが、特別の事由等は何が想定されるのでしょうか。やはり、大規模な自然災害などでしょうか。

3.専門職大学院認証評価

第3項は、専門職大学院として文科省に認可を受けた大学院が受審する認証評価についてです。

専門職大学院を置く大学にあつては、前項に規定するもののほか、当該専門職大学院の設置の目的に照らし、当該専門職大学院の教育課程、教員組織その他教育研究活動の状況について、政令で定める期間ごとに、認証評価を受けるものとする。ただし、当該専門職大学院の課程に係る分野について認証評価を行う認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。

まず、

当該専門職大学院の設置の目的に照らし、当該専門職大学院の教育課程、教員組織その他教育研究活動の状況について、

上の1、2項では、大学全体をさしていたのに比べ、ここでは専門職大学院に特化した評価を受けることとなっております。
なので、専門職大学院から見ると似たような内容の評価を何種類も受けることになります。

次に

 政令で定める期間ごとに、認証評価を受けるものとする。

政令ということなので、学校教育法施行令を確認。2項と同じく40条にありました。

法第百九条第三項政令で定める期間は五年以内とする。

 大学機関別認証評価が7年なので、2年も短い。そのくらい専門職に求められるものが流動的といいますか、時代の変化の早さについていくために、短いスパンでのチェックが必要ということなのでしょう。

最後にただし書き

ただし、当該専門職大学院の課程に係る分野について認証評価を行う認証評価機関が存在しない場合その他特別の事由がある場合であつて、文部科学大臣の定める措置を講じているときは、この限りでない。

さて、専門職大学院の認証評価機関ですが、さまざまな団体が認められています。

専門職大学院の認証評価の概要:文部科学省

といいますのも、まず専門職学位の数だけ評価する対象があり、専門であるため、一様に評価できないということがあるためです。
文科省のサイトですと専門職学位には、大きく9つの種類(その他含む)あるようです。

専門職大学院一覧(平成27年7月現在):文部科学省

最後に(

最後の4項は次のとおりです。

前二項の認証評価は、大学からの求めにより、大学評価基準(前二項の認証評価を行うために認証評価機関が定める基準をいう。次条において同じ。)に従つて行うものとする。

また、その認証についての手続きは学校教育法施行規則169条にあります。

学校教育法第百十条第一項 の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出して行うものとする

ここの第4項に評価基準について書くよう記されています。

 大学評価基準及び評価方法

ここから、認証評価は自己点検・評価とは異なり、客観性を持った評価が行われているといえるのではないでしょうか。

以上が、学校教育法における「評価」の種類になります。

 

少しでも多くの方に大学の評価について知ってもらえればと思います。
では、この辺で。